リゾート物件に対する潜在的需要

振り返ってみると、2006年、熱海市は財政危機宣言を発した。
「第二の夕張」と比喩されたことを記憶している方も少なくないだろう。

当時、リゾートマンションの需要は一部の層に限られており、かなりニッチな市場だった。
世間的には、バブル崩壊の象徴のような扱いでもあり、メディアでも「かつて数億円した億ションが、今では○○万円」といった切り口の番組が多く制作されていた。

その頃、私の手元にも複数の制作会社の名刺が集まってきていた。
私はこうした企画が嫌いではなかったので、比較的積極的に取材協力していたのを覚えている。

今でこそ熱海市にはロケ支援体制も整い、「ADさん、いらっしゃい」のような受け皿も存在するが、当時はまだそのような環境は整備されていなかった。

撮影の際には、管理組合へ許可取りを行いながら進めていった。
「資産価値を下げるようなことはしないでほしい」という慎重な声もあれば、「ぜひ協力するよ」と前向きな反応もあり、対応は実にさまざまだった。

時にはタレントが現場に来ることもあり、今思えばなかなか面白い時代だった。

そしてロケ終了後、制作会社からは
「放送後は問い合わせが入ると思うので準備しておいてください」
と事前に伝えられていた。

しかし、私はテレビ反響というものを完全に見くびっていた。

放送直後から電話が鳴り始め、なんと30分以上ほとんど鳴り止まなかったのである。
まるで“チケットぴあ”の電話回線のような状態だった。

これは単なるテレビ効果ではなく、当時すでに「リゾート物件に対する潜在的需要」が確実に存在していたことの証明でもあったのだと思う。

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