不動産屋の備忘録|「やっぱりやめます」は、契約前ならどうなる?

長く不動産業をやっていると、いろいろなお客様に出会います。

今回は、契約直前まで話が進んでいたものの、最後に購入を取りやめることになったケース。

 

売主様、管理組合、管理会社など、多くの方に動いていただいていたため、担当者としても、なかなか考えさせられる案件でした。

不動産のご購入は人生においてのイベントです。

「やっぱりやめたい」という気持ちそのものを責めることはできません。

 

一方で、契約前であっても、そこに至るまでには売主・買主・管理会社・仲介会社など、いろいろな人が動いています。

今回は、そんな一件を備忘録として残しておきます。

 


 

「管理費が約1万円上がります。それでも大丈夫ですか?」

 

契約前の買主様とのやり取りです。

購入予定のマンションでは、管理費・修繕積立金の変更について臨時総会が開催されることになっています。

可決されれば、月々の負担が約1万円増えることになります。

そこで、買主様にお伝えしました。

「管理費等の負担が、月々約1万円上がる可能性があります。総会で可決された場合、それでもよろしいですか?」

買主様からは、

「いいですよ。仕方ないですね」

との回答。

こちらとしても、その返事を確認したうえで、予定どおり契約日に向けて準備を進めました。

ところが――。

 

契約日の前日。

一本の電話が入りました。

「その管理費では負担が大きいので、やっぱり辞めます」

……。

契約前ですから、買主様には購入を取りやめるという選択肢があります。

ただ、仲介する側としては、そこに至るまでに売主様との調整、管理会社との確認、管理組合への確認、契約書類の準備など、さまざまな準備をしています。

そして何より、今回の件では、買主様自身が事前に説明を受け、

「いいですよ。仕方ないですね」

と答えていたわけです。

それでも、最後に気持ちが変わる。

不動産の仕事をしていると、こういうことがあります。

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契約は、いつ成立するのか?

ここで、少し法律の話です。

民法上、契約は原則として、当事者双方の意思表示が合致することで成立します。

そのため、**「契約書に署名・押印をして初めて契約が成立する」と単純に考えることはできません。**

一方、不動産取引では、宅地建物取引業者が関与する場合、契約成立後に交付する書面など、法律上の手続きもあります。

つまり、

**「契約書にまだサインしていないから、何も問題がない」**

とも、

**「購入すると言ったから、もう絶対に取り消せない」**

とも、一概には言えません。

個々の案件では、どのような合意がされていたのか、どこまで具体的な合意に至っていたのかなど、状況によって判断が変わります。

今回のケースでは、最終的に契約には至りませんでした。

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もちろん、買主様を責めるために書いているわけではありません。

高額な買い物だからこそ、最後まで迷う気持ちも分かります。

ただ、今回の一件で改めて感じたことがあります。

**「大丈夫です」という言葉を聞いたからといって、本当に大丈夫とは限らない。**

仲介する側としても、そこをもう一歩踏み込んで確認する必要があるのかもしれません。


そして、これから不動産を購入される皆様へ。

**不動産は、気に入ったからといって勢いだけで購入するものではありません。**

ドラゴンハウスでは、購入をお考えのお客様には、良いところだけでなく、気になるところや将来的な負担についても、できる限りしっかりご説明します。

**「ここは大丈夫かな?」と思うことがあれば、遠慮なく聞いてください。**

十分にご納得いただいてから、お求めくださいね。

そのために、私たち仲介業者がいます。

今回の経験も、今後の仕事に生かすための備忘録として残しておきます。

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